未だ、掬いきれない音霊たちよ

 

背中にのしかかる重さだったりに

打ちひしがれるような身体のしなりだったりに

意味を見いだしてほしい

 

物語は

そこを蔑ろにしてははじまらないのだから

 

あのしなやかな指は

粉雪をはらっているのか

哀しみを置去りにしようとしているのか

涙をぬぐっているのか

 

なにかしらの想いを映してくれたら

物語は その試練をのりこえようとするのだから

 

気配の止んだ銀世界

 

天空を駈けるひとすじの光、その勇姿に

きっと

あるはずのない羽根をうごかしたくなるだろう

そして

あたりまえのようにみすごしていたものたちに感謝し

拳を突き上げながら疾走し

歓喜に躍動し

手を打ち鳴らし

ふたたび煩悩にまみれようとも

 

つもれる哀しみ ひさしからずや

    風立ちぬ いざ、いきめやも

        彼方の夢が ひとすじの道を照らしだす

            さあ、夢追倶楽舞

これがいわゆる箱書きなんですけどね

って

茂れる音想の中で、まだ掬いきれない音霊もいるかもで

苦しくも楽しくも、修行にはほかなりませんっ

 

 KOMAKI

    轟音にあたままっしろポイント

                          T.ARA