呑まれた人をみても、吞まれますとも

 

また、なのでした

ここまでくると、危害妄想も暴走しそうで

 

発車ぎりぎりに

窓側にズシリと腰を下ろした巨漢のスーツ男

結婚式でもあったんでしょうか

白いポケットチーフに、白い紙袋に、白い顔

すべての条件を網羅して、酒臭さも半端ありません

 

して、八時間にわたる無言の戦いの火蓋は切って落とされたのでした

 

こちらに顔を向け、吹きかけられる汚息

大股開いてくりだされる貧乏ゆすりの震度強

腕を伸ばして上着を脱ぎざまに食らわされるパンチ

脱いだら脱いだで、窓側は冷えるのか、手もかざさぬくしゃみの連発

この無意識な行為を ・・・受入れるしかないと覚悟しつつ

でも

頭をかすめるのは

「 吐くんじゃないだろか!?」という危惧

正しくは

「 吐きかけられるんじゃないだろうか !! 」という密室の悲惨

ですから、いつでも飛びのけるように、俊敏に

でありながら、容態急変に備えた看護師のごとく

 

 

なぜ!? なぜにこういう役回りなのだろうか ?????

 

 

それは

二度の休憩を終えた午前三時半過ぎに

想定内のことが、動きはじめました

「うっ」と頬を膨らますと

おもむろに席を立ち、車両後部のご不浄へ

そこで「こと」を済ませてくれたらいいものを

紆余曲折あっての深夜劇場

行きつく前に転ぶんですな、大男

すると、今度は微動だにせず、車内騒然

肩を借りて、小生の隣まで戻るものの

再び、通路に倒れこむという有様

ドライバーさんの問いかけにも返答できず

となると、あちらさんも

先ほどまでの酔客をあしらう対応から

非常時に備えた緊張感を醸しだし

翌朝の新聞の見出しまで想像してしまう小生でしたが (苦笑)

 

扇いでさしあげましたわ

水をさしあげましたわ

ずっと監視しつづけましたわ

 

結局、大事にも、粗相には至らず

時折、水をかっくらって、ムニュムニュ寝とりましたが

気が休まるものではございません

当事者は、なんともお気楽なお顔でございますことよ

 

・・・・ 貴重な経験をありがとう

ほんに、ありがと、強くなります

 

 

舌の根も乾かぬうちに

今度は小生がドロ酔い

ひさしぶりとは言い訳にもならず

なんと学習しないことでしょう

ヒトノフリミテワガフリナオセ とはいかない阿保で

 

二軒目の飲み屋で支払いをした覚えがありません

他人の杯を倒したところで、シャッターが降りたようで

途中、車から降ろしてもらったところに花が咲いていた一瞬の記憶

気がついたら自分のベッドに倒れていたという

して

胃液だけを吐きつづけるという、しょーもない一日を送りまして

今も尚、絞りあげた腹筋の痛みが ・・・

いやいや

誰にも迷惑をかけなかったかどうか

聞き取り調査をし 、、、、 詫びてまわらねばです

 となみ野、午前5時

         となみ野午前5時

 

                              T.ARA


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