あきざくら

 

その空を

逃してはなるものかと

いそいそと

そして

みどりに

さしかかり

窓をあけはなつ

文明であることに

肩を竦めるように

今を

うしろにみおくりながら

それでも

生まれたての刹那たちが

道標をしるすように

ふきさそわれて

ついてゆく

しだいに

しだいに

おだやかに

隅々のほうまで鎮まりながら

すると

すべての潤いがうせた惑星の底から

つい

そんなふうにかんじてしまうくらいに

この個体にも

きっと古来から

そのかげをひそませていた感傷が

深く息をすいこんでは

あたりと交わりはじめてゆく

きっと

夢にもやさしい柔らかな光

そのフィールドをつつみこむように

中空に映えわたっているであろう

きっと

きっと

哀しみが肩よせあうようにして

誰かのために

つぐなっているような

祈っているような

秋桜たち

夢の平 秋桜

                                                     T.ARA

 

 

 

 


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