そよ、ぐ

 

雲が頬をふくらませて腕組みしているような空の下

 

水鏡があたらしい緑をはぐくみはじめ

 

釣鐘の花から、あやめ、梅雨鞠の花と、いろどりゆく

 

 

千篇一律のようでいてめぐりつづけるものたち

 

ひそやかで、さりげない、一期一会に

 

五感のさきでする語らいがあることを

 

そして、そのたちどまることのないさまに、無尽の逞しさを

 

 

ここでそよがれてきづく、あらためて

 

そよ、ぐ

 

またひとつ手垢がおちるように、そのひびきはびびっと

 

 

競い合うビルたちを景色とよびまちがえている人たちに

 

嘘をホントだといいきかせている人たちに

 

ただ、そよがれること、してみたらいいのに と

 

薬って、空と太陽とで調合されているのだと想いだすかもしれない

 

あさみどり、さみどり、きみどり、ふかみどり、緑 、、

 

 

はじめての蛍火は

 

せせらぎに、しなだれそうな暗闇に、映り、触れるささやき

 

あのうたのように、ここちよく哀しいノスタルジックな、き緑 、、

 

 

どうしてここへと

 

容易く問う方がいらっしゃる

 

だから

 

だからここへ来たわけだと、たびたびおもう

 

 そよぐ

                       T.ARA

 


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