みゅーじかるなえっせい anju:

今宵、ホンキー・トンクで

 

あんな

怒ってんちゃうねん

不愉快ちゃうねん

そこんとこ

ほんに匙加減なんやちゃ

だから

面白がれって

ギャグじゃんって

ソノテノウデ みがきやがれって

 

おっちゃん

太ってはったわ

ごま塩に銀の丸めがね

財布鞄をタスキ掛けしぃの

モスグリーンの湾岸署コートかいな!?

まあ

衣装さんとしちゃ

完璧な仕事っぷりやんな

 

車内にのりこんでくるなり

まさかっ

わちぁ と思うたわ

俺の目をみてニタっとしよるん

あちゃー

お隣さんやん

俺のこと旦那さんとか呼んで

仲良しみたいに座らんといてぇな

、、、 さすがにボキャもちゃうわ

 

腰をおろすなり

ぷーんっと きよったわ

なな おならちゃうで

酒飲んできはったんなぁ

で まだ

喉が渇くらしく

がぶがぶいっとったわ

 

で めちゃうるさいねん

それも

お約束通りのハイトーンなんやん

囁くような独り言から

しーはーしーはー キスマイかよって寝息から

「ゆき ふっちょりますかあ?」の猪木みたいな寝言まで

たいしたもんだわなぁ

、、、 もしや、この路線の名物おっちゃんかいな!?

 

とにかく

完璧すぎて唸ってしまう、一部の隙もない役づくりだ

 

でな

おっちゃん窓側なわけやん 人生の大先輩やから

そんでな

休憩のたんびにトイレ行くねんな

だから あんま飲んだらあかんよて

んで

そのたんびに「旦那さん、旦那さん、しょんべん行くき」って

ああああああああああああ

かんべんちょんまげーっ!!

 

 面白がれ、俺っ

そう呪文のように唱えながら

頼むから、こっちみて寝んなよぉぉ と

呪文をかけながら

ちぃともゆっくりできないまんま

雪の一夜を並んで過ごすたぁ ・・・・・

 

俺が降りるとき

なんか さみしそうにこっちをみたのは

あああああああああああああああ

最後の最後までチャーミングやったわ、おっちゃん

 

 

                    T.ARA

p.s.

その日はたてつづけ

ファミレスで凄い女子高生にも遭遇したんだ、怪獣みたいな